企業成長と技術変革の対応関係?

Zopeジャンキー日記 経由で知ったnaoyaのはてなダイアリー - 大規模サービスを展開する企業が陥るジレンマより。

あなたが明日、Yahoo! Japan でサービスをオープンさせられることになりましたと言って、どんなシステムを用意しますか? サーバーの台数は大丈夫? 負荷分散は十分に行えている? ネットワーク帯域は? 冗長性は...? などなど心配が耐えません。

 その一方で、個人でウェブのサービスをリリースするなんてのは、気楽なもんです。せいぜい来ても 100 〜 1,000アクセスかそこらだし、アクセスが増えてきてもサーバーをもう一台追加するとかすれば当分はしのげます。その間に、現在のトラフィック/ユーザー数の背丈に見合った品質確保のためのノウハウを身につけるなり投入するなりすれば良く、それは小さければ小さいほど容易い。

 ここにジレンマがあるんですよね。大きな企業で、大きなサービス、強力な導線を持ってる企業ってのは、そのサービスの初期段階からきちっとした設備投資、品質確保を行わないといけない。サービスを少しずつ育てていくということが難しく、リリースした次の日からいきなり運用保守モードになってしまう。

 確かにリアルの企業経営であれば、個人ウェブサービスのように少しずつ大きくなって、その間にノウハウを蓄積していける。蓄積できない企業は成長曲線からはずれていくだけだ。
 デジタル社会では一挙に爆発的に成長できるが、その反面爆発的成長を遂げるサービスを支えるシステムやテクノロジー、経営ノウハウをも、その速度に応じて入手する必要が生じるということなんですねぇ。

 確かに、リアルであっても、急激に店舗展開して失速して倒産なんてのも時々ある。店舗展開の成長速度に、種々のシステムの変革の速度がついていけず、店舗展開とシステムの間の結合がはずれて破綻ということなんだろう。

 リアルもウェブも基本的には論理は同じと考えられるが、時間の幅およびアクセスする顧客(あるいは顧客もどき=開店の時ただもの珍しさだけで来る人々、すいません。私もその一人です。(^_^;)。ウェブではその数は尋常ではないでしょうねぇ)の数が、ウェブでは一桁も二桁も違うのだろう(比較できるデータは持っていないが)。そのために、リアルの急成長に伴う破綻以上の悲劇が起こるのかもしれない。

 ただし、ジレンマというよりも、大企業が新製品を一挙に全国でリリースという時にも同じようなことが起きていそうだ。

エントリーにも以下のように書いてありました。

いきなり100台はオーバーにしろ、大きな企業ではそういうことが常なんだろうなあと。ニフティにいたときも、ココログをオープンするときにはその辺にすごく神経使いましたし。それでも開始早々障害が起こって、何日も会社に泊まったりしました。

 中小企業が即座に全国展開してそれを運営しろといわれれば、確かにつらい。おそらく、企業成長速度と、システム拡張や人間成長の速度には相互作用があって、その相互作用によっていずれも相互に制約を与えていると考えられる。しかし、それを一方が無視して拡張した時にはその拡張はいずれ止まるか、拡張側が破綻するということが予想できる。


解決策も提示してくれています。

ひとつめ。小さい頃から育ってきてノウハウを身につけ、ユーザーを確保したベンチャー企業を丸ごと買収して自社のサービスに取り込む方法。
……

ふたつめ。Google には低レベルレイヤのコア技術がいくつかあるそうですが、そういうものを早期に確立して、技術面での変化に対するリスクを下げるという方法。Yahoo! にも、大量のトラフィックをさばくための独自の技術があると聞いてます。
……

みっつめ。Googleサイボウズのように、新規プロジェクトや新しいサービスをラボとして、本ちゃんのものから隔離する方法。あまり本サービスからトラフィックを流したりとか、そういうことをせずに小さなところからスタートさせて、少しずつ育てていくと。
……

よっつめ。クローズドな環境で育てていく方法。ベータ希望ユーザーにのみ新プロダクトを解放したりとか。GMail が招待制だったりするのもその一例かな。はてなでは以前にダイアリーの管理画面をリニューアルするときに、この方法を取りました。

だそうです。
 
 企業成長 ⇔ システム・技術の拡張

とすると、一つ目と二つ目は、右側を変化させる
     三つ目と四つ目は、企業成長を抑制して身の丈にあったものにする

ということなのだろうか?