経験経済から思ったこと(推測にしか過ぎません)

[新訳]経験経済

 shibaさんが内容については詳しく書かれているので、ここでは読後に思ったことを書いてみたい。

 どうも、この本の題名に引っ張られて、多くの方は経験を中心にこの本を見ているようであるが、実は真意は「変革」にあるように思えてならない。

 shibaさんも第6章と第7章が興味深いと述べているが、製品から経験に変えることは製品がコモディティ化しないための第一段階であり、その最終目的は、顧客の体験ではなく、顧客の変革と考えているように受け取れる(「経験は究極的価値ではない」と述べているし、図の6−1の中には最終到達地点には変革と記されている)。

 もちろん、すべての事業が顧客を変化させるようなものに転換できるわけではないだろうから、まずコモディティ化の罠に陥らないように、顧客が望ましいと思う体験を見つけ出す努力は必要である。

 そして、現在では、製品やサービスが顧客を変革させることは少ないだろう。例示も、経験に比べてまだまだ思索や推測の段階の域を越えるものではない。しかし、近年の社会人の人たちの向学心の拡大(社会人大学院、MBA,MOTなど教育ビジネス)や、エスティックサロンや転職ビジネスの隆盛などは、次第に人が自らを変えたいと願いだしたからではないだろうか。

 もちろん、かつてから上のようなビジネスはあったのだが、一部の人に限られていたように思える(思わないで、実証しなければ。m(_ _)m )。それが広がりをもてば、上に述べたような「変革」ということが近未来のキーワードになるに違いない(かもしれない→弱気バージョン)。

 また、NPOが拡大していることは、個人の変革だけではなく、社会の変革ということも、多くの人の視野に入り始めたことの証ではないだろうか。