子供の前で自分の仕事を語っているだろうか

 最近小中学校では、体験学習としてさまざまな職業の人を呼んで講演を行ったり外に実習に出かけたりしている。いろんな職業を見たり聞いたりできるという店ではないよりあった方がいいかもしれないが、いかんせん短期間なのですぐに忘れ去られてしまう。

 それよりも朝食、夕食など家族が一緒になる時間に、仕事の内容を不定期だが継続して語り続けたほうが教育的効果があがるのではないだろうか。

 かつて小さいながらも自営業を営んでいた家庭が多かった時代では、朝から晩まで働く姿、注文をとる時の苦労話、資金繰りの話、日々の工夫、仕事がうまくいったり、できばえのいい製品ができた時の晴れやかな顔、そんな物語やロールモデルが溢れていた。もちろん、苦労話の方がもっともっと多かったかもしれないが。

 数日の体験も大事だが、数年をかけて語られる物語(親の人生そのもの)を語りかけることも重要だろう。子供に語るなんて意識は要らない。大人同士の会話であっても子供は聞いている。分かる時が来れば分かるし、生半可な知識であってもよい。必要な時には、人は自らが持っている知識では不足しているから、必ずいろいろと周りを見回して必要な知識を自らの手で手に入れなければならないのだということを教えておけばいい。教科書がなければ他人の行動をよく見なさい。他人も分からなければ自分の頭で考えなさい、等ということも付け加えておけばもっとよいだろう。

 夫婦での会話が進めば夫婦間のとげとげしさもなくなるだろうし(ラブラブな家庭では無用かもしれないが)、子供が親の仕事を知ることもでき、尊敬(あるいは嫌悪)の感情が湧くかもしれない。



 一方で,この本を読ませるのもいいかもしれない.13歳のハローワーク