お客は何を望んでいるのか。推測、推察、洞察が必要だ。
kaoriのマーケティングレビューのエントリー「若葉マークの春」より。
ランチ用のご飯ものもあるが、どうも食指が動かなかったので、単品を注文。別にパンを頼もうとしたが、メニューには見当たらなかった。そこでスタッフ(若い女性)に「パンはありますか?」と聞くと、困った顔をされた。わからないらしい。よく見ると、胸の名札が初心者マーク(←最近新人を名札で明確に区別する会社が増えている)だ。急に気が変わり「なければいいけど」と言うと、「聞いてきます」と、少し離れたところの先輩に聞きに行き、すぐに戻ってきた。
「単品ですけど、あります」とちょっとたどたどしく回答。
「どれくらいの大きさ?」と聞いてしまってから、「しまった!」と思った。これじゃ、意地悪なオバサンになってしまう。さっきまでパンがあるかどうかも知らなかった新人に大きさを聞いてどうする…と。ところが驚いたことに、手でおおよその大きさを示し、「これくらいのフランスパンです」とやはりたどたどしいながらも、必要事項を的確に答えた。そして本当にそれくらいの大きさのフランスパンが出てきた。
ライオンが偉いのか、先輩ウエートレスが偉いのか、その新人が偉いのかわからないが、誰かは結構偉い。もしその新人の女の子が「あるよ」と答えた先輩に、「どんなパンですか?」と聞いていたとしたら、とてもアタマが良い女の子だと思う。機転が利くというのか…。
サービス業ほどスタッフの能力が如実に出て、人に晒される職業はないのでは、と思う。
【パターン1】
新人「すいません。お客さんがパンがあるかと聞いていらっしゃるんですが」
先輩「あるよ。フランスパン。どうしてパンを注文しようとしているの?」
(推測)
新人「××(注文しようとしている単品)と一緒に食べるつもりらしいです」
先輩「これくらいの大きさなので男の人なら量は少ないかも」
(洞察)
新人「女性です」
先輩「じゃ。ちょうどいいかも」
【パターン2】
新人「すいません。お客さんが単品との組み合わせでパンを頼みたいとおっしゃる
のですがパンはありますか」
先輩「あるよ。フランスパンだけど」
新人「あまり大きなぱんだと食べきれないかもしれません。女性なので。
どれくらいの大きさですか?」(洞察)
先輩「これぐらい」
いずれの会話だろうか?他にも会話のパターンがあるだろうか?
【あと考えられる会話】
新人「お客さんがパンはあるかと聞かれているのですが」
先輩「あるよ。フランスパン」
新人「はい」
そして、大きさが答えられない。○| ̄|_
↑ これが普通だろうなぁ。
関連しているかも。
人間がいかに真実を言わないか
漠然とした質問だけでは消費者の本当の気持ちを引き出せない。