コミュニティと炎上

mixi公認コミュニティの炎上はなぜ起こったか

SNS内での活動、ネット上でのブログ、企業主導のネットコミュニティでは、コンテクストが少し異なるので同じ行動を取るととんでもないことが起こるのかもしれない

さて、近年ブログやSNSが注目を浴びていることもあり、公式ブログの導入を検討している企業は多いことだろう。そして、導入のメリットとしては、顧客の囲い込み、顧客からの忌憚のない生の声の収集、顧客と実際に触れ合うことで感じられる商品に対する温度差の認識、そして、顧客との距離感を縮めることによる身近な企業としてのイメージアップといった点などがあげられる。

そこで懸念されるのは、やはり批判や荒らし投稿によるブランドイメージの低下や、無関係な投稿による費用対効果の低減であるが、しかし、必要以上の削除対応、コミュニケーション自体の拒否や、言論統制とも言えるような方針での運営は、コミュニケーションサービスにとって、その本質を否定する行為であり、逆にリスクを増大させる危険性をはらんでいるということを、充分に認識しなければならない。

コミュニティという対等な場所で顧客と向き合う以上、少なくとも、意見や要望、ちょっとした批判は必ず来るものであるし、極端な話、通常カスタマーサポートで行うべき対応までを、公開した状態で行うくらいのイメージはもっておくべきだ。

 とすると,コミュニティの運営にはカスタマーサポートの経験がある人を対応させた方がいいのかもしれない.広報部門の担当者では,厳しい質問などにさらされることが少ないと考えられる.
 もちろん個別対応しか経験がないサポート部門のやり方ではおそらく通用しない.個別対応の場合なら、少しぐらいの感情的なやりとりをしても後日もう一度相手との話し合いをもてば解決するかもしれないが,そのやりとりが公開されていることにより,当事者だけでなく多くの「沈黙の第三者」を「当事者化」させる−−やりとりを他人事として眺めていた第三者が,激しいやりとりを見たとたん自らを当事者の立場に転写する−−かもしれない.あるいは,第三者としての立場からも逃げ去り,その企業との関係を拒絶することにも成り兼ねない.

 公開された苦情処理のスキルやノウハウはまだ蓄積されていないだろう.弁護士などが適任かもしれないが,運営を任せるには費用の面で問題がある.とりあえず法学部出身者とカスタマーサービス担当者のペアが妥当なところだろう.