プレゼンの参考

第47回:オバマ流コミュニケーション術にマーケティングの秘策を見る

先日、あるカリスマ英語教師の模擬授業を見る機会がありました。高校生に英作文を教えるというものです。仮定法過去など久し振りに英文法などというものに接して、かえって新鮮でした。

 そこで彼が行っている方法は、一人ずつ、つぶしていく、というもの。教室は規模が小さいとはいえ、一人の先生がマスつまり塊に向かって授業をしている。そうなると、両者の間には壁ができ、聞いている生徒とそうでない生徒に極端に差が出てくる。それを、能力の差とだけとらえていては、教育とはいえない。

 それでその先生は、意外性を駆使しながら、一人の生徒に集中していると、かえってほかの生徒も、いつ自分の番かと気を抜けなくなる。

 なるほど、とひざを打ちました。一人に話しかけるということになると、一般論にはなりにくい。相手が自分に語りかけている、という意識が強くなり、教師の情熱も伝わりやすくなるというしかけです。

 これが、コミュニケーションの本質。伝える側と伝えられる側。本気のコミュニケーションが成立するのです。

それを見ていて、教育も、マーケティングも一緒だな、と痛感しました。マス広告が力を失って、「衆」から「個」への転換を強いられている広告・マーケティングの世界。 今回のオバマ演説を見ていて、いかに「個」を落とすかが、コミュニケーションのポイントであるかを再確信することができました