自動車の品質

生産管理講座  品質管理より。

品質の定義

……

(a) 企画品質
(b) 設計品質
(c) 製造品質(quality objectives)
 
(d) 使用品質(fitness for use、usage quality)
 使用品質とは、顧客(消費者)に製品が渡って、実際に顧客がその商品を使用したときの品質で、一般的には製造品質と使用品質は一致しない。

(a)から(c)までは企業内の問題であるが、使用品質という考えがおもしろかった。


次は、上の「基本要求」、「変動要求」、「潜在要求」と似ている。

次に、品質のもうひとつの分類には、顧客の満足度や購買意欲に与える影響度で分類がある。

(a) 当たり前品質(must-be quality)
 当たり前品質とは、あって当たり前と受け止められている特性である。あって当たり前と思っているので、それが満たされている時よりも、それが欠けている時に気が付く。私たちはその特性が満たされていないことを不満に感じるが、満たされているからといっても、そのことを当たり前だと感じるか、あるいは全く何も感じない。つまり、当たり前瓶質は“不満足がない”という状態の品質である。全て揃っていることを当然と思い、少しでも欠けている欠陥と考えられてしまう品質である。一般的に、信頼性や耐久性が該当している。また、この品質は後向き品質(backward quality)とも言う。

(b) 一元的品質(one-dimensional quality)
 一元的品質とは、私たちは自分のニーズがうまく満たされないとがっかりとし、うまく満たされれば、満たされるほど満足感を感じる。例えば、クルマの場合、価格や燃費、馬力等がこれに該当する。
 最近ではニーズが満たされていない時は“不満足である”という当たり前品質の性質を強く持つようになった。逆に、ニーズがうまく満たされた時は、“満足である”という魅力的品質の性質を強く持つ。スペック主義の反省から、それらの中間は閾値として中立的である。

(c) 魅力的品質(attractive quality)
 魅力的品質とは、私たちをよい意味で驚かせる。私たちもやってもらえるとは思っていなかったニーズ、誰もが期待していなかったニーズを満たすことになる。期待されていなかったので、なくても意識せず負の効果はないが、あれば正の効果を持つ。魅力的品質は強化すればするほど、その効果は比例的以上に大きくなると考えられる。顧客満足度はある意味では、魅力的品質そのものである。この品質は前向き品質(forward quality)とも言う。