例外事項への対応
kaoriのマーケティングレビューのエントリー『ES(従業員満足)とCS(顧客満足)』より
このエントリーを読んで思い出したことがあった。
あるコーヒーチェーンで、朝食にと、4種類あるうちの「トーストとコーヒーセット」を頼んだ。ゆで卵とサラダも付き結構満足度が高いのと、トーストのお代わりとコーヒーのお代わりができるというので、朝からしっかりと食べる私としてはこれだと思い、頼んだ。
私 「トーストのお代わりはどのようにしたらできるんですか」と尋ねたところ
不慣れな店員 「トーストは焼いてからあとでおもちします」
(私、「それは今の注文のことで、お代わりのことの解答になってないだろ?
まあ。最初の食べ終わってから聞けばいいや」)
コーヒーとサラダ、卵をトレイに載せて、一気にコーヒーを飲み干す。朝のコーヒーの一気飲み(といっても暑いので実際には一気ではないが、気分の上での一気飲みです m(_ _)m )は、朝の眠気を吹き飛ばし爽快だ。
さてと、コーヒーのお代わりへと向かう。
私「コーヒーのお代わりなんですが、2杯目はアイスにできますか?」
不慣れな店員「少々お待ちください。」(他のスタッフに聞きに行く。そっちの人の方がベテランなんだろう)
「最初に頼んだものと同じものしか、お代わりができません」
(どこのリフィルもそうだが、同じものしかリフィルできないことが多い。金額が異なるなら仕方がないが、同じ値段ならどうして違う種類を頼むことができないのだろうか。最初はすかっとしたいから冷たい炭酸飲料を飲み、次いで満腹になったらコーヒーをお代わりする。こんなサービスをしたらコスト上引き合わないのだろうか。不思議だ)
私「あ。そう。じゃお願いします。」
不慣れな店員「できあがりましたらお持ちします。」
(「ん。スペシャリティーコーヒーじゃないんだし、レギュラーコーヒーなんだからすぐに入れられないのかな?」
待つこと数分。結構な長く感じた。仕方なくお代わりに行く前にきたトーストをかじりながら待つ。たくさんお客がきているわけでもないのに、結構待たせる。
そしてトーストを食べ終わりこちらもお代わりに向かう。
私「すいません。トーストのお代わりください」
不慣れな店員「お代わりはできませんが」
私「・・・・・」
おもむろに、メニューを指すと、不慣れな店員は目を丸くして読み込む。ベテランの店員に聞きに行く。
そして
すいませんの一言もなく、不慣れな店員「焼き上がるまでお待ちください」
そして2,3分
ベテランの店員がトースト持参。すいませんの一言もなく、立ち去る。
まあ。不慣れな新人店員が状況の説明をできるほどの能力や余裕もないだろうから、状況の説明はされていないので仕方がないが。聞きに行ったときに状況を推測する能力もベテランの店員にもなさそうだ。どっちもどっともか。
ほとんどの人はお代わりもしていかないから、注文を聞いてそのことを処理すればいいので、kaoriさんが述べているように、不慣れなアルバイターでも、機械的にほとんどの事態は処理できる。しかし例外事項(といってもメニューに書いてあるのだから例外どころかルーティンなのに!!!)にはまったく対処できない。
その処理にベテランの活躍する余地が生まれる。解決をし、そして新人に行った処理の意味を短い言葉や行動で教育する(これこそOJTだ)。
近年ホスピタリティ重視とか言って、手を前に組んで深々とお辞儀をしたり、お釣りを渡すときに手を包み込んでくるなんてことがどこのレストランをはじめとしてサービス産業では盛んになってきている。
そんな慇懃であるが機械的行為は教育されるのに、例外の処理をできるように教育は施されていない。頻繁に入れ替わるようなアルバイトに頼ることが避けられないであろうが、各サービス企業は、異常への対処をアルバイトに経験させ、ベテランと協力して解決させ、その場での意味や意義を教えるという「現場教育」を実行することによって、ほんのちょっとでもいいから彼ら彼女らの能力を向上させてやってほしい。マニュアルや学校教育では、基本的な作業しか教えられない。例外は実際の作業を行っていく際に多く発生する。だからこそ、実際の作業の中でのOJTや訓練には、教育とは異なる大きな意味がある。
各企業がそういう努力をしていけば
Kaoriさんの
こうしたことも含めて社会全体が人を育てることを放棄している感じがする
という心配の一部でも埋められるのではないかと思う。
ただし、企業自体がこんなこと(4月のウイークデー、大学は授業を行っている。)をしているので、過剰な期待は禁物だが・・・
(以下はただの感想でしかなく、もう少し詰めて考えなければならないが)
そして、例外事態への対応の中から次への新しいルーティンが生み出されていくだろうし、個別の例外事項への地道な対応力の違いが、口コミを通じて顧客満足度を上げていくと考えられる。