製品・サービスの三特性と競争次元(パフォーマンス改善、模倣可能性)

福耳コラムのエントリー「商品の「意味」を制御する意図についての弁明」よりメモ

自分の真意はそうした商品の「意味」の制御も商品を供給する側は、特にフェアトレードのような否応なしにそのファクターが重要である商品の供給者は、商品の価値をその物質的特性が持っている機能や意匠的特性が持っている機能や意味的特性が持っている機能を総合したものとしてとらえ、そのそれぞれを市場や産地の状況との兼ね合いで調整する統合的戦略を持っているべきではないか、ということなのです

そう思います。物的特性、意匠特性、意味特性。

経営学をやっていると既に市場の競争水準に達している業者の更なるパフォーマンス改善の可能性という切り口で考えてしまいがちなので偏った見方かもしれませんが、コーヒーの味が気候風土に大きく左右されるものだと考えれば(そうだからこそ産地で銘柄ができるのでしょうが)、これ以上の「味の品質」の改善とこれ以上の「意味の品質」の改善、どちらにコストをかけるかはケースバイケースであろうと思います。ある産地のコーヒーがどうも現在の農学知識水準ではブルマンの風土的優位性には味では勝てないな、ではイメージ改善にお金を出すか、という判断もあり得るかもしれません。また模倣困難性の点でも、他の産地も同じ農学知識を駆使すれば味の品質で追いつかれる可能性と、例えば「脱貧困のためという正義の」ブランド価値構築を早くから手がけて後発が追いつけなくなる可能性は、これも検討の余地があろうかと思います。いろんなコーヒー業者が「味の品質」改善に集中すれば、一社くらい、一産地くらいは逆の戦略を採用することが部分的には合理的であることもありえなくはありません。

上の中からパフォーマンス改善と模倣困難という次元をとりだす。

パフォーマンス改善可能 パフォーマンス改善不可能
模倣可能 改善競争 日用品競争・廉価販売
模倣不可能 ダントツ 模倣阻止

それぞれを、物質的特性、意匠的特性、意味的特性に当てはめ考える。

物質的パフォーマンス改善可能 物質的パフォーマンス改善不可能
物質的模倣可能
物質的模倣不可能
意匠的パフォーマンス改善可能 意匠的パフォーマンス改善不可能
意匠的模倣可能
意匠的模倣不可能
意味的パフォーマンス改善可能 意味的パフォーマンス改善不可能
意味的模倣可能
意味的模倣不可能


課題→?マークに何が入るかを考えなければならない。



 ある製品・サービスを取り上げて、上の三特性−次元図の中に位置づけてみれば、その製品・サービスの実態が分かって良いかもしれない。その上で、操作可能な次元はどれかを見いだし、そのうち最も顧客の満足度に訴えかけるの次元に資源を投入するということにも使えそうだが。