黒壁

 長浜の黒壁スクェアを見てきました。JRのローカルな駅を降りたとたん、なぜかにぎわいを感じました。人工6万の市の駅なら、人の乗降も少なく、なにやら寂しげな雰囲気が漂っているのが普通ではないでしょうか。
 駅前の案内所も旅行客がひっきりなしに訪れ、係の女性も忙しいそうでした。黒壁は駅前からすぐのところにあり、レトロな雰囲気を感じ歩くだけでも楽しかった。お目当ての海洋堂のジオラマを見に行き、ついでにフィギアを買ってきました。(*^_^*)(オタクではありません。初フィギアです。好奇心旺盛の人と呼んでください。m(_ _)m )

 昼近くになると団体客が多く到着したらしく、さらににぎわいが増していました。案内所で聞いたところによると、昨年は300万の人が訪れたそうです。黒壁のプロジェクトが始まる18年前、昼時の1時間の間、その付近にいたのは4人の人間と犬一匹という冗談とも真実ともつかぬ話を聞きました。きっと同じ人口の町は同じようでしょうね。

 商店街も統一感を出し(黒壁風)、さっきも述べましたがいい感じでした。一直線の商店街というのではなく、平面的に展開しているのでどこの路地を曲がってもそれなりの雰囲気を感じられ、少しだけ時代をさかのぼった気になります。どうせなら、その時代のような身なりを商店の人がするとか、郵便ポストも時代物に変えるとか、いわば明治村のようにするのもおもしろいかもしれません。

 ただし、このままだと次第に飽きられ、訪問客が減るということも考えられますが、今度は自然環境を活かして、湖北(琵琶湖の北部)で自然環境を楽しんでもらおうという地域横断型のプロジェクトを始めるみたいで、次々に新しい取り組みをすると移転で、好循環が始まっているようです。

 秀吉関連の歴史、黒壁という明治以降の歴史、そして琵琶湖という自然環境、三つもいい条件がある町がほかにはなさそうですが、町の活性化に関していい見本になるようです。
ただし、ここまでなるのには20年近くの努力の継続があったことも忘れてはならないかもしれません。

黒壁スクエア

なお黒壁プロジェクトの歴史を知るには、黒壁の三方よしを見るといいかもしれません。
また近江商人の三方よしという概念もおもしろいでしょう。

近江商人学入門―CSRの源流「三方よし」
末永 国紀
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