ケータイとカーナビ
『死んでしまったら私のことなんか誰も話さない』の二つのエントリーより
クリステンセン(『イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき』;『イノベーションへの解―利益ある成長に向けて』;『明日は誰のものか イノベーションの最終解』)にのっとり、日本のケータイ市場に起こることを予測している。
携帯電話の市場が成長・成熟してくる過程で、コンピューター業界にPCが起こしたのと同じパラダイムシフトが近い将来起こるのではないか?と予想しています。私の想定したシナリオは、
- 携帯端末の高度化が進んだ挙句、顧客がその性能改善に対して価値を見出さなくなる。「こんな機能、誰が使うの?」「ごてごてしすぎて使いこなせない」
- ローエンドの顧客に低コストな製品を提供するメーカーが現れる(国内からではなく海外からかもしれない)当初それはハイエンドの顧客に「こんな携帯、おもちゃじゃないか」「使えない」といわれる。
- 低コスト製品提供メーカーが性能を改善する。徐々にハイエンドの顧客を掴むようになる。
- 低コスト製品提供メーカーがローエンド⇒ハイエンドへシフトする過程のどこかで、端末のアーキテクチャーがモジュール化される。部品ごとに特化したメーカーが出てくる(OS、プロセッサ、液晶、etc)
- 低コスト製品提供メーカーのハイエンド進出により、高度にカスタマイズされた部品を1機種ごとに全て設計、製造している現在ハイエンドの垂直統合型メーカーのプレゼンスは相対的に低下する。
この予測を実現する立場に最も近い企業は、どこにいるかと言えば、
韓国には、日本と並ぶ世界最先端の市場で戦いながら、同時にグローバルに対して億を越える端末を売っているメーカーが存在するわけですから、
そして、その対抗策としては、
彼らの戦略・オペレーションを分析してみたら大変面白いと思います。
ということになるかもしれない。
すでに、カーナビ市場でも起こりつつあるようだ。韓国製のpontusだ。5,6万円でカーナビが付けられる(ポータブルなので持ち歩くこともできる)。SDメモリーカードなのでDVDは見られないが、HDDやDVDのカーナビの半額以下である。今後の市場の動向がどうなるか。関心を寄せたい。