広々とした空間の提供ではないか

 プラットこだまを時々利用する。大阪京都なら、ちょっときつい契約条件と時間の限定性があるが、のぞみとほとんど変わらない利便性があるし、料金も安い。 さらに6月末まではプラットこだまのグリーン料金が安い。

 しかし、JRの予約(予約席の割り振り)には、もともと国鉄時代から遺産かもしれない(これは前々から不満があったということだ)が、システム上問題があると思っている。満席になっていると判明しないのだが、空いているときに、その問題が露呈する。

 最近2度ほどグリーン車を利用した。こだまのグリーン車は自由席や指定席以上に恒常的に空いている。利用したときも、グリーン車のある1両に10名の人間が乗っていただけだ。しかし、なんとその10人ほとんどが約3列にまとめられてしまっている。広々としてグリーン車の中で、10人が息苦しく肩を寄せ合っている。何とも言えない光景だ。
 
 前回は不幸中の幸いにも隣の席に人がいなかったので我慢したが、今回は隣に人がいる。最初から移動した。我慢はしたくなかったので。しかし、移動した席に誰かが来るかと思うとおちおち居眠りもできなかった。検札が来て空いている席を聞いてやっと眠りに落ちた。

 グリーン車はなんと言っても広々とした空間を提供しているのなら、できるだけ人と人が隣り合わせないようにすべきではないか。予約システムがまさに貧弱だとしか言えない。

 これと同じ光景がかなり昔のこと(国鉄時代です)を思い起こさせた。夏も終わり、信州からの帰り、まだお金がゆとりがなかったが、遠路ずーと立ちっぱなしではかなわないので特急の指定席を予約した。その車両は満席で、ああ。やはり信州の夏には人がたくさん来るんだなぁという感慨を持って座っていた。

 ところがしばらくしてトイレに行こうと隣の車両を見たとたん、目が点。20列以上の席のうち座っているのが3列;しかもその3列にはぎっしりと詰めている。(客もどこかでどっと人が乗ってくると思い移れなかったんだろう)



 同じことがホテルでもある。予約で一杯だと気がつかないが、予約が少ないときには、同じく問題が露呈する。あるホテルに宿泊したとき、夕食をとった帰り道、ホテルを見ると、私が宿泊する階だけがこうこうと灯りが灯っている。そして、それもどうやらその階のある一方に固められているようだった。

 他の階に分散させればそれぞれの階をすべて清掃しなければならないから手間がかかると考えているのか。ほかの理由があるかどうか分からないのだが、押し込められている事実には変わりない。ホテルによく宿泊している人であれば分かるのだが、できれば両隣には泊まってはほしくない。私はどうしても音に敏感で、隣の騒音が気になる。もちろん、隣の人に不快な思いをさせていないかと、私自身が出す音も気になり、ゆったりとしてくつろぐことができない。しかし、両隣に誰もいなければよけいな神経を使わなくても済む。ホテル側は、客室にゆとりある時には、末尾が偶数の部屋だけを提供するとか、それが埋まれば上下の階に回すとかという配慮をして、お客に窮屈な思いをさせないような配慮はできないのだろうか。


 ホテルは快適な空間を売り物にしているはずだ。そうであるなら、内装やベッドの室などとともに、隣の騒音対策の一環として空いている状況なら、偶数番号(奇数番号でももちろん良いが)の部屋の提供を考えてほしい。
 同じく、乗り物(移動サービス)の快適性は物理的環境(席が広いとか足置きがある)だけではなく、予約システムにも左右されるということにもぜひ気がついてほしいものだ。