電子マネーの進む道

 電子マネーは小銭の量を減らしているそうだ。しかし、少額決済を減らしているわけではない。リアルマネーから電子マネーへと移行し、それが使える場所で使われているだけだから。


 もちろん、使える場所が限定されていることは消費者には不便だが、入金されたお金をそのままにしておくのではなく、消費者はそれが使える場所を探し特定してそこで局所的ではあるが集中的に利用することになる。


 そのため、少額決済システムからはみ出した弱い部分は、資金の流入が止まりかなり苦しくなるかもしれない。そこはどこだろうか。


 零細小売店? 確かに。


★もう一つ大きいのが、釣り銭寄付と考えられる。これは一店舗あたりどれくらいになるかは明確ではないが、寄付の額は減ることになる。3円お釣りをもらったのでポケットに入れるのも邪魔なので寄付をするという人は多くないが、いることはいる。電子マネーにした場合、それが消えてなくなる。

 それでよいのだろうか。パソリを使えば、電子マネー決済ができる。そこでNPOや寄付を募る団体は、電子マネーを使ったウェブ募金や電子マネー用の店頭募金を行うべきではないか。後者は、現在のレジの決済とともに、寄付を募ったり寄付そのものをレジで応じたりすればよい。

 前者は、大きなウェブモールの一角を占めたり、大きな企業のホームページでのリンクによる寄付サイトへの誘導が考えられる。クレジットカードだと情報を取られることをいやがる人も、電子マネーであれば応じるかもしれない。


 ぜひ一考をお願いしたい。←既にedyでは寄付のページができあがっていた(5/25現在確認)。失礼しました。

 さっそく,こちらに寄付をしてみました.金額?お恥ずかしくて言えません.ご想像にお任せします.

 さらにこちらにも寄付しました。


★他に使い道はないか?小銭経済でいえば、釣り銭回収チャージ機を設置するのはどうだろうか。基本的には券売機などのように、小銭を投入すると金額が表示され、確認ボタンを押すと「シャリーン」か「ピィ」と鳴りチャージされる。小銭を集め、自社の釣り銭として利用するというのはどうだろうか?


★小銭チャージは他に使い道がありそうだ。チャージをしたエディやスイカを銀行の逆チャージ機に持っていくと、そこから銀行口座へ移転するというのはどうだろうか。電子マネーは貯金箱にもなるということだ。もちろん、そうなると電子マネーを使ってくれなくなるので一定の金額以上が貯まらないと逆チャージができないようにすればいいのかもしれない。
 たとえば、2万5千円とか。あるいは、電子マネーの利用データを使ってお小遣い帳や家計簿できるとか。エディビューアーに、利用場所を掲示できればそういう活用法ができるかもしれない。


★無駄遣い防止。現金で持っているとついつい気が大きくなって遣いたくなるが、電子マネーだとお札の枚数が分からず、気が大きくならず無駄遣いしないかもしれない。


★飲み屋やレストランでの精算。オーダーして最後の品が出たときに、テーブルでの決済。そうすればレジでまつこともなくなるし、レジが必要がなくなるかもしれない。もちろん、誰が支払ったかを確認できる仕組みは必要だろうが。その場合は電子マネーであろうと現金であろうとテーブル決済にすべきかもしれないが。電子マネーで払った場合にはポイント付与ということで得点を与えれば、利用者が増えるかもしれない。


電子マネーを導入しようとする事業者は、利用だけを考えず(考えるだけだと手数料分だけ増収しないと当面は減益になるだろう)、小銭吸収ビジネスを考えた方が良さそうだ。チャージによる小銭吸収が最もはっきりしているが、他に何かないだろうか?考えてみるべきかもしれない。